平成20年12月12日に自民党の税制調査会より、
平成21年度税制改正案が公表されました。
今年後半からの景気後退の影響もあり、減税措置が多く講じられています。
これらの減税が、日本経済に与えるインパクトは、今のところ未知数です。
もし景気の回復が遅れ、さらに追加の景気対策が必要になると、
国家や地方自治体の財政状態は、悪化の一途をたどります。
減税を始めとする景気対策が、うまくいくことを願うのみです。
以下、ニュースレターの1月号(平成20年12月20日発行)に、
別紙で記載したものを、一部割愛してお届けいたします。
Ⅰ 住宅・土地関係
(1)住宅ローン控除の拡充
住宅ローン控除は、平成21年度より廃止の予定でしたが、
制度を5年間延長するとともに、内容が大幅に拡充されることとなりました。
特に長期優良住宅については最大控除可能額が600万円になります。
住民税についても、所得税から控除し切れない額を控除できることになりました。
(2)住宅取得時の不動産取得税
住宅の取得に係る不動産取得税の標準税率(本則4%)を3%とする特例措置が
3年間延長されました。
(3)土地売却益の1,000万円控除
平成21年1月1日から平成22年12月31日までの間に取得した土地等で、
その年1月1日において所有期間が5年を超えるものの譲渡をした場合には、
その譲渡所得の金額から1,000万円を控除する制度が創設されます。
(4)土地の売買による所有権移転登記に対する登録免許税
平成21年4月1日以後に引き上げることとされていた税率(現行1,000分の10)は
2年間据え置かれ、平成23年4月1日から段階的に引き上げられます。
Ⅱ 中小企業対策
(1)中小法人に対する軽減税率の引下げ
平成21年4月1日から平成23年3月31日までに終了する事業年度について
年800万円以下の所得に対する税率が22%から18%に引き下げられます。
(2)中小法人の欠損金の繰戻し還付
平成21年2月以後終了する事業年度で生じた欠損金を前期所得から控除し、
その控除した欠損金に対応する前期の法人税の還付を受けることができます。
Ⅲ 相続税制
(1)事業承継に係る相続税の納税猶予
経営承継相続人が、相続等により、
中小企業経営承継円滑化法に基づき経済産業大臣の認定を受けた、
非上場会社の議決権株式等を取得した場合には、
その経営承継相続人が納付すべき相続税額のうち、
その議決権株式等に係る課税価格の80%に対応する相続税額については、
その経営承継相続人の死亡等の日までその納税が猶予されます。
(2)事業承継に係る贈与税の納税猶予
後継者が、一定の非上場会社を経営していた親族から、
贈与によりその保有株式の全部を取得し、その会社を経営していく場合には、
その株式贈与に係る贈与税の納税が猶予されます。
なお、贈与者の死亡時には、他の相続財産と合算して相続税額を計算します。
Ⅳ 金融・証券税制
(1)税率の特例の延長
現行の上場株式等の配当所得及び譲渡所得等に対する税率(10%)が
平成23年12月31日までの間3年間延長されます。
平成24年1月1日以降は本則課税(20%)となります。
(2)少額の上場株式等投資のための非課税口座(平成24年~)
非課税口座とは、本制度の施行日から5年内の各年において開設する口座で、
その口座を開設した日からその年12月31日までに取得をする、
100万円までの上場株式等のみを受け入れることとされているものをいいます。
非課税口座における10年以内の配当所得及び譲渡所得等に対しては、
所得税及び住民税を課さないこととなっています。
Ⅴ その他
(1)介護医療保険料控除(平成24年~)
新制度の施行日以後の生命保険契約等について、
一般及び個人年金の生命保険料控除の限度額を4万円(現行5万円)とし、
新たに限度額4万円の介護医療保険料控除が創設されます。
(2)相続税の課税方式の見直し(未定)
相続税の課税方式を遺産取得税方式に改める案は、
今回の税制改正では見送られ、引き続き検討課題とされました。